もくじ
若いリスナーも必ずハマる、日本のロックシーンに残る1990年代〜2000年代のバンド5選
フェス黎明期、日本には秀逸なオルタナティブロックのバンドが数多くいた
こちらの記事では、2000年前後、日本にロックフェスティバルが根付き出した時期に活躍していたロックバンドを5組ご紹介します。既に解散してしまったバンドに限定し、いわゆる「オルタナティブロック」という文脈で語られる事の多いおすすめのバンドを中心にご紹介します。
先日ラジオを聞いていたら、「若い後輩が日本のロック好きというのでロックの話をしてみたら、ミッシェルもブランキーも知らなかった」という話を聞きました。ワンオクロックやBAWDIESが活躍する現在と、彼らが活躍する土台が出来た2000年ごろのロックシーンには大きな断絶があるようです。以下に紹介するバンドはある年齢以上のロック好きなら常識すぎるレベルなのですが、こうした事情も踏まえてちょっと振り返ってみましょう。
2000年前後のおすすめロックバンド一覧
ナンバーガール
最近ではベースボールベアー小出によるタマフルでの「ナンバーガール特集」もひとしおだった。フロントマンの向井秀徳は現在ZAZEN BOYSでばりばりに活動しており、若いリスナーもそれなりにいたりするようだ。しかし2000年前後に日本のロックを聴いていた者にとって、当時のナンバーガールの存在はかなり異質かつ代え難いものがあった。
イルなロックセンス、そして愛すべき人間性でファンの支持を受け続ける向井をはじめ、とにかくメンバー全員の演奏技術と個性が群を抜いている。とにかくぱっと見は普通のカジュアルな格好をした4人組なのだが、ステージに立つとものすごいオーラを放つ。それまで僕が思っていた「格好良いロックバンド」のイメージが大きく変わるきっかけになったのがナンバーガールだ。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
真夏のフェスでもいつでも真っ黒スーツの4人組。立ち姿を正面から捉えた絵面は本当にストレートに格好良い。ミッシェルは存在そのものの強度がすごい。例えばビートたけしがそこにいるだけで何かの説得力を生じさせるような感じに近いんじゃないかと思う。全く意味不明な歌詞も、ボーカルのチバの口からあの感じで発せられると論理を超えた意味を帯びてくる様に感じられる(それこそが歌の本質なんじゃないかとも思う)。
BLANKEY JET CITY
毒々しさと危うさをまとった不良三人組。 今調べたらタモリもブランキーが結構好きらしい。こういうロックグループでは珍しい事だと思う。「僕はヤンキー」という直球な曲もあるくらいで、とにかく不良っぽさを押し出しているバンド。ミッシェルの様に破壊的な感じではなく、秩序や正しさに対して毒針を突き刺して溶かしてしまうようなセクシーな魅力を持っていた。
ゆらゆら帝国
ビジュアルの雰囲気とかが独特すぎて取っ付きにくいかもしれない。でも楽曲は繊細かつ緻密に計算されていて、歌詞も非常に文学性が高く世界観が確立されている。ボーカルの坂本慎太郎は現在ソロとして活動しており、ゆらゆら時代とは全く違うサウンドを打ち出してきた事が大きな話題になっていたりもしていたが、こういう所を考えると何も変わった所は無く、むしろゆらゆらでやってきた事をさらに純化させた結果ともいえる。
このフジロックの映像は当時VHSで何十回も観たやつだ。途中の延々と続くギターソロがとにかくすごい。
スーパーカー
プロパーなロック好きからも、おしゃれな女子からも支持が高かった当時としてはかなり希有なバンド。さわやかな曲調でありながら高いロック性が示されていて、そのあたりのバランスが非常に優れていた。途中で打ち込み路線に行った時は多くの人が驚いたし失望した人もいたようだが、僕は「Recreation」を聞いて初めて「ロックとか4つ打ちとか分けて考える必要は無いんだ」という事を考えるようになった。
音楽観を広げて行く為には、時間やお金をムダにする事をいとわずにある種乱暴にいろいろな音楽を聴いていく必要がある。音楽を聴いてよく分からないと思っても、あるタイミングで突破口が開くとそれらが全てひとつに繋がって行くような感覚がある。目の前にある自分が好きな音楽だけに耽溺することなく、昔のジャズでも最新のヒップホップでも、とにかく自分が知らない音楽を常に耳に入れて行くのことが大事だ。
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