胸がキュンとなる青春映画の数々
学生時代の気持ち、あの頃の夢を思い出そう
青春時代の思い出が蘇るような、キュンとくる映画をご紹介します。青春映画を観ると、大人になって忘れてしまったような若い頃の気持ちや、かつての夢を思い出したりします。甘酸っぱくて感動出来る、でもすかっとした気持ちになれるというのが、青春ものの良いところですね。
こちらでは、僕が特に思い入れのある洋画の青春ムービー7本を感想付きでご紹介します。有名な作品からちょっとマイナーなものまでありますが、結構古い作品が中心で、全てDVDレンタル可能だと思います。
青春映画 おすすめの洋画7本!
アメリカン・グラフィティ('73)
大学生になって免許を取り立てのころは、目的も無く友達とドライブしていたものだ。そんな思い出を持つ人なら、「アメリカン・グラフィティ」はかなりおすすめ出来る。20前後のころのワクワク感のようなものが、これを観るとリアルに蘇って来るのだ。
高校を卒業して離ればなれになってしまう前日、4人の仲間たちが夜の街をひたすらドライブして回る様子を描いている。もちろん、ただ車で走るだけではなくて、恋愛要素もあるし、ケンカもある。あとは60年代のオールディーズが終始流れていて雰囲気が最高。僕としてはメガネの男の子がイケイケのお姉さんといい感じになる展開が好き。ただそういう細かいストーリーよりはともかく、この18〜20歳ぐらいの頃にしかなかったときめき感がたまらない。1973年のアメリカ映画でこれがすでに完璧に表現されている事にただ驚くばかり。ちなみに監督のジョージ・ルーカスはこの「アメリカン・グラフィティ」の大成功で得たお金で「スターウォーズ」を作り上げたそうな。
イントゥ・ザ・ワイルド('07)
ショーン・ペン監督作品。優秀な成績で大学を卒業した青年が、全てを捨てて独り旅へ出る。実話を基にした話で、ショーン・ペンはこれを映画化する権利を得る為に10年をかけたそうだ。
これはいわゆる「自分探し」をする若者の話では無く、社会の欺瞞に耐えられなかったピュアの男の末路だ。「クズな大人ばかりの社会に守られて生きていくか、孤独でも自分の力で生きていくか」という、文明の中で生きるすべての人に対する、重い重い問いかけが含まれているという感想を抱いた。中盤では胸キュンな展開があって、そこで出て来るクリステン・スチュワートがすごく可愛いです。あと映画に関しては、園子温も絶賛していましたよ。
ローラーガールズ・ダイアリー('09)
「JUNO」で一気に有名になったエレン・ペイジ主演の青春ムービー。学校で部活を頑張っている女の子、かつて頑張っていた女性にはぜひともおすすめしたい映画。人気スポーツ「ローラーゲーム」の魅力にハマった主人公が、反対する親との葛藤やライバルとの争い、苦い恋愛を通して成長していく物語。
テーマは普遍的でストレートに面白い作品。驚くべき事に、監督は女優として有名なドリュー・バリモアだ。子役時代からずっと映画の撮影現場にいるドリューだし、何となく気も強そうだから現場も上手く回るのだろう。序盤でローラーゲームのルール説明シーンがあるのでそこだけ集中しておいたほうがいいけど、そこから後は話に身を任せればひたすら最高だと思う。
コーチ・カーター('05)
落ちこぼれ高校のバスケ部にやってきたコーチが、厳しいながらも愛のこもった指導で部員を導いて行く。主演のコーチ役はサミュエル・L・ジャクソン。スポーツ映画というよりも、「教育とは何か」とか「人生で大切にすべきものは何か」ということをテーマにしている。
例えば、「教師は勉強だけ教えていれば良い」とか「生徒を導いて行く人間性が必要だ」といった表面的な教育批判をよく聞く。しかし、「コーチ・カーター」を見ると、教育というのは本当に社会にとって重要なもので、そんなに単純な事で片付けられないという事が本当に良く分かる。主題歌の「Hope(Twister feat. Faith Evan)」も名曲で泣ける。全く描き方は違うけれど、日本映画の「先生を流産させる会」(監督:内藤瑛亮)にも近いものがあるのではないだろうか。
あの頃ペニー・レインと('00)
音楽雑誌「ローリングストーン」の記者経験があるキャメロン・クロウ監督が、自らの経験をもとにした切ない青春物語。ロックが大好きな15歳の少年・ウィリアム。書いた原稿が出版社に認められて、取材の為に人気バンドのツアーに同行することになる。そしてそこで出会うのがバンドのグルーピーの女性であるペニー・レインだ。
こういう、「少年の儚い恋」のようなものを描いた映画は実はそんなに多くないと思うんだけど、「あの頃のペニー・レインと」は何だか懐かしくもあり甘酸っぱい思春期の少年特有の恋心をうまく表現した映画だと思う。15歳の時にあんなきれいな女性と話す機会なんてそうそう無かった気がするんだけど、ペニー・レインに憧れる気持ちに共感出来てしまうのが不思議だ。
マイ・プライベート・アイダホ ('91)
リヴァー・フェニックスの名前だけでも覚えて帰ってもらいたい、みたいな映画で、とにかくリヴァー・フェニックスがかっこ良すぎる。
監督は「グッドウィルハンティング」や「エレファント」が人気のガス・ヴァン・サント。ジャケットの通りキアヌ・リーブスも出ている。脚本もガス・ヴァン・サントだし、全体的に変わったタッチの映画である事は間違いない。荒廃したストリートで生きる二人の青年が、アイダホ、そしてイタリアへと旅をするロードムービー。各地の雄大な自然がきれいに撮られていて、それだけでも幸せな気持ちになれる。親友の間に徐々に溝が生まれて行く感じはかなり切ない。
ブレックファスト・クラブ('85)
高校ぐらいのとき、イケイケだと思っていた女子が実はまだ恋愛経験なかったりして驚いた、なんて経験はないだろうか。そして逆に、地味目の文芸部の女子とかがその辺意外にも進んでいたりする。文化系の部活って男子と合同だし結構そうでしたよマジで。思春期の頃は誰もが虚勢を張るし、でも一方で強い自分を演じる事を窮屈に感じているものだ。
「ブレックファスト・クラブ」は、そんな高校生年代特有のジレンマを描いた秀逸な青春映画。悩んでいるのは自分だけじゃない。イケてる奴にはイケてる奴なりの辛さがあるのだ。最近話題の「スクールカースト」を相対化したという意味では、結構最初の作品なのでは無いだろうか。監督のジョン・ヒューズはこのような青春映画の名手で、少女漫画のような「プリティ・イン・ピンク」なんかも女性におすすめ。